冬夏古典文庫 〇〇五
エセー
ミシェル・ド・モンテーニュ 作/保科 隆明 訳
『エセー』は、十六世紀フランスの貴族が、塔の書斎にこもって、自分自身を題材に書きつづけた本です。死について、友情について、子どもの教育や眠りについて、話はあちこちへ寄り道し、きれいな結論にはなかなかたどり着きません。頭から通して読む必要はないので、題に惹かれた章から開いてみてください。
- 原作
- Essais(一五八〇―九五年)
- 別題
- 随想録
- 底本
- フランス語原典(一五九五年版。Project Gutenberg 所収のミショー版)
- 構成
- 分冊三巻/合本(「読者へ」と全百七章)
- 収録
- 訳者まえがき、凡例
- 形式
- EPUB(縦書き)
- 公開
- 二〇二六年十月三十日
- 価格
- 無料

ダウンロード
一冊にまとめた合本と、三つに分けた分冊があります。中身は同じなので、読みやすいほうを選んでください。読み込みが重くなりやすい端末では、分冊がおすすめです。
分冊
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第一巻をダウンロード 442KB第一巻
「読者へ」と第一章〜第五十七章
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第二巻をダウンロード 567KB第二巻
第一章〜第三十七章
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第三巻をダウンロード 435KB第三巻
第一章〜第十三章
試し読み
読者へ
読者よ、これは正直に書いた本だ。
はじめに断っておこう。この本で私が考えたのは、ごく身内の、私的な目的だけだ。あなたの役に立とうとも、自分の名をあげようとも、まったく思っていない。そんな大それたことをする力は、私にはない。
この本は、家族や友人たちのために書いた。私がいなくなったあと(それはもう、そう遠くないはずだ)、彼らがここに私の性格や気質のいくらかを見つけ出し、私についての記憶を、もっと欠けのない、生き生きとしたものとして持ちつづけてくれるように。
世間に気に入られたくて書いたのなら、私はもっと着飾って、気取った足どりで人前に出たことだろう。けれど私は、飾らない、ありのままの、ふだんどおりの私を見てほしい。無理も小細工もなしに。なにしろ、私が描いているのは私自身なのだから。
私の欠点も、生まれつきの姿も、世間への礼儀が許すかぎり、ここにそのまま読み取れるはずだ。もし私が、いまも自然の最初の掟のもとで、穏やかな自由を味わって暮らしているという、あの遠い国々の人々のあいだに生まれていたなら、きっと喜んで、自分を余すところなく、それも素っ裸で描いてみせただろう。
というわけで、読者よ、この本の中身は私自身だ。こんなにくだらない、取るに足りない話に、あなたが大事な暇を費やす理由はない。
では、ごきげんよう。
一五八〇年三月一日 モンテーニュにて
『エセー』巻頭の「読者へ」の全文です。本文はEPUBでお読みください。ダウンロードへ



